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「ほんまそれ。前シフトかぶった時もさ、これってどこ直せばいいですか。とか聞いてきたんよ。いや、そこ同じものあるやんけ。って思ったけど丁寧にここやでって教えたったわ。」
「うわ。綾香やさしいな。ウチなんか忙しい時に平気で聞いてくるから、その辺！って言うたで。結局全然違う場所に置いてたから私がなおしたけどな。もう、ほんま無理やわ。」
「あの子はさ、忙しい時とかなんも考えずにきいてくるやん。目の前に同じもの置いてるのに聞いてくるし、、、もうちょい考えてから聞いてくればいいのにな。」

どうして私の耳はこんな会話ばかり聞いてしまうのだろう。タイミングが悪いのか。私の性格が悪いからこんな会話ばかり印象に残るのか。いずれにせよ、私の耳が一つぶっ壊れててよかった。英語圏の人たちは才能はもちろん身体の障がいですらもギフト(gift) という同じ単語であらわすらしい。神様がくれた奇跡的な意味合いからだそうだ。私のこの聞こえない左耳も神様がくれた素敵なギフトだと思う。聞こえる耳が一つだけでよかった。こんな私が健康な両耳でたくさんの会話をきいていたら到底息ができないだろうから。




ストレスがかかるような状況に直面した時、冷静でいること、人のせいにしないこと、その状況に陥った後悔や反省は後回しにして現状に最善手を打ち続けられるかは訓練が必要だし、加えて元々の胆力とか常日頃自分を追い込んでいるかどうかが関係するような気がします。 今それが試されています。